古事記 上巻(4)地上に降ります
(4)地上に降ります
さて島がひとつ出来ました、ここからが大変です。
二人はこの島に天降り天の御柱(あめのみはしら)と八尋殿(やひろでん)を
見立てました。
ウ~ンまた厄介なものがでてきました。天の御柱、さきほど天の浮橋のところで
天上と下界をつなぐものがあったとしたらそれは柱であり橋ではないと書きまし
たが(コラム参照)、ここに柱が出てきてしまいました。どう解釈しましょうか
じつはこの御柱定義されていません、出来たばかりの島ですからそんな天までと
どくような大木があるわけがありませんので、ここでは島が出来る際にしずくが
垂れ落ち伝っていくときの塩の積み重なったものと定義します。(古事記を解説
している偉い人に怒られそう)
別にこの柱を天を支える柱と書いていらっしゃるものがありますが、それこそ
杞憂で天は落ちてきませんので支える必要などありません。単に天まで届くよう
な高い柱でいいと思います。
つぎに八尋殿。チョット話がそれますが尋(ひろ)って何だと思いますか?釣り
をされる方はよくご存じだと思いますがこれは長さの単位です、一尋約1.5m
から1.8m(時代によって変わります)です。ですから八尋というと12mか
ら15mくらいになります。
この八尋につづく殿ですがこれも面倒で御殿の殿ですのでその意味ですれば随分と小さく感じます。
ちなみに奈良時代の平城京大極殿(朝廷の正殿)の大きさは正面から見て約44m奥行き約20m高さ約27mです。こう見るとやたら小さ過ぎるとまで言えませんがやはり実際のサイズではないと思われます。
八百万にかけてこの八をたくさんのとかとても多いの意味にすると御殿の意にはそいますが、さっきできたばかりの島にそんなでかい御殿などできるとは思えません、そこで最後の「見立て」ですが原文も「見立」です。
もちろん建てるの意味ではありませんし諸説あってまとまっておりませんのでここでも勝手に高天原には偉い神様たちがいっぱい居るんだから天の御柱も八尋殿もあって当然だとすれば、塩がうず高く積もっていたり、平らなところがあったりしたら天上界になぞらえて(見立てて)そう呼んでも不思議はないと思います。
もちろん私見ではありますが、ここに天御柱と八尋殿があることが後々の解釈が楽になりますので、これにて一件落着とします。^^;